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2022/09/23 12:00
お酒や甘酒は古来人々の喉を楽しませてきました。
生活の中に根付いて歌に残し、共にお酒や甘酒のおつまみの供になります。
そんな歌を思い出しながら一献いかがですか。秋の夜のひと時の楽しみです。
須須許理(すすこり)が醸(か)みし御酒(みき)に われ酔(ゑ)ひにけり 事和酒咲酒(ことなぐしゑぐし)われ酔ひにけり 応神天皇
※須須許理=人名。渡来人で、応神天皇に酒を献上した。
応神天皇は4世紀後半ごろの大王。記紀には、渡来人を用いて国家を発展させたといわれています。
短歌
酒のめば 心なごみて なみだのみ かなしく頬を流るるは 何(な)ぞ
たぽたぽと 樽に落ちたる 酒は鳴る さびしき心 うちつれて鳴る
白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒は静かに 飲むべかりけり 若山牧水
「白玉」の意味は白い玉のような歯と、露を白玉と呼び甘露(=非常に美味しい)酒の両方を表現しているといわれます。
若山牧水。1885年(明治18年)~1928年(昭和3年)。宮崎県生まれ。生涯にわたって旅をし、大の酒飲みで知られる歌人。
俳句
あま酒の 地獄もちかし 箱根山 与謝蕪村
江戸時代は、長旅の疲れを取るために箱根に甘酒茶屋が置かれていました。箱根越えの一里塚の地獄谷と、旅が地獄と化し、求める甘酒を掛け合わせたともいわれます。
いざ一杯 まだきに にゆる玉子酒
酒を煮る 家の女房 ちょっとほれた
与謝蕪村。1716年~1784年、現在の大阪市生まれ。江戸中期の俳人。
草の戸や 日暮れてくれし 菊の酒 松尾芭蕉
月花も なくて酒飲む 独りかな
酒のめば いとど寝られぬ 夜雪
松尾芭蕉。1644年~1694年、現在の三重県伊賀市生まれ。江戸初期の俳諧師。
升買って分別かわる月見かな 宝井其角
十五から酒を飲み出て今日の月
百姓のしぼる油や一夜酒 (一夜酒は今日でいう甘酒のこと)
宝井其角。1661年~1707年。芭蕉の弟子で蕉門十哲の一人。作風は派手、平明で口語調。
いざ一杯 まだきににゆる 玉子酒 小林一茶
酒臭き 黄昏ごろや 菊の花
小林一茶。北信濃出身、1763年~1828年。松尾芭蕉、与謝蕪村と並ぶ江戸時代を代表する俳諧師。庶民的な俳句で知られています。
酔うてこほろぎと寝ていたよ
酔へなくなったみじめさはこほろぎがなく
ゆうぜんとしてほろ酔えば雑草そよぐ 種田山頭火
種田山頭火。1882年(明治15年)~1940年(昭和15年)。山口県生まれ。自由な俳句を楽しんだ俳人。自由律俳句の代表者。
彼は後年日記に「無駄に無駄を重ねたような一生だった、それに酒をたえず注いで、そこから句が生まれたような一生だった」と、記している。
甘酒や 幼なおぼえの善光寺 久保田万太郎
甘酒の釜のひかりや夜の土用
久保田万太郎。1889年(明治22年)~19963年(昭和38年)。浅草生まれ。小説家、劇作家、俳人。
古くから酒や一夜酒(甘酒)と親しんで来た人々は、生活の楽しみに一献の味わいがあったのかもしれません。
酒や甘酒の俳句、短歌は沢山あるのですが、ご自身に合う詩を口づさんで晩酌をお楽しみください。
ご家族では、お子様老人にも楽しめる「米麹甘酒あまま」もお供ください。健康な酒宴がご家族の喜びにつながります。