2022/09/20 17:28

現代の科学は生命の起源から人間の健康に関するまで様々な研究を行っています。
生命の起源に関しては、先日発表された小惑星リュウグウから探査機はやぶさが持ち帰った試料から有機物と水が見つかり、水素と窒素の質量の特性から太陽系外の物である上にアミノ酸や糖などの地球上生命の材料としても価値があるという論文が発表されました。
地球上の命の起源を考えるのに、皆さんの関心も高くなりそうです。
私たちが健康を考える時、その根源に命に対する関心から始まっているのかも知れません。

ところで、私たち生物の体は様々な分子で成り立っていますが、それを構成する元素は意外と少ないのです。
現在知られている元素は118種類ですが、その中で17種類の元素で生物の体と機能をつかさどっているのです。
生物を構成する中で圧倒的に多いのは水素(H)です。次に酸素(O)。
生体の70%が水、つまりH2Oからできていることからもうなずけます。
次に多いのは炭素(C)です。炭素を含む物質を「有機物」、含まない物質を「無機物」と呼びます。

それでは、これらの元素はどのようにして生物を作り上げるのでしょうか。
植物は根から水分を取り込み、空気中の二酸化炭素から太陽のエネルギーで「光合成」を行い、でんぷんなどの糖類を作ります。
また、土壌や空気中から窒素を取り込んでアミノ酸を作り、それを基にタンパク質を作ります。ここでは低分子から高分子へと組み立てが行われます。
その上土壌からリン(P)も取り込み、リン酸を含むDNAやRNAの核酸やATP(アデノシン三リン酸)も合成します。ATPは私たちが生きていく上で必要なエネルギーを作るもので、生命活動―代謝と深くかかわり、ATPを介した代謝反応は生体内で作られる触媒たんぱく「酵素」によって進められます。

でんぷんに働きかける「アミラーゼ」やたんぱく質に働きかけアミノ酸を作る「プロテアーゼ」は、皆さんご存知の米麹甘酒の発酵でもつくり出される「酵素」なのです。
ところで私たちは牛や豚の肉を食べているのですが、彼らは何を食べて肉をつくるのでしょうか。
牛は多量の草を食べます。草に含まれるたんぱく質を消化してアミノ酸に分解し、そのアミノ酸を材料として自分の肉に必要なタンパク質に作り上げるのです。
発酵では色々な物質が分解され、それぞれに有用な成分として再構築されるのですが、この発酵でのエネルギー変換の中心的な物質がATPと酵素です。

現代科学は発酵それ自体も研究しています。お酒や甘酒の未だ解明されていない成分の分析や効能を調べています。お酒も甘酒も、未だ科学の知見もない古代から人類は試行錯誤を繰り返しながら作り上げてきました。
現代科学が、先達が培った醗酵とその効果を検証しているといったら言い過ぎでしょうか。発酵によって作られた成分を科学が調べているのです。
それでも現代の科学は、このATPや酵素のエネルギー変換機能を利用して、食品の合成や加工等それに環境や福祉に応用する研究も進められています。
科学の発展と人知の作り出した発酵が人類の環境や福祉に貢献するのは嬉しいことですが、同時に人々の健康に奉仕している現実も尊重したいと思います。

科学はどんどん進化しています。そんな科学の先頭に立つ発酵の担い手が米麹です。
科学が保証し健康に奉仕して来た「米麹甘酒あまま」をどうぞご愛飲して、ご家族の健康をお守りください。