2022/04/04 15:16

春です。花見やコロナ過での控え宴会、飲む機会が続きます。
時節柄、雑誌やNSNではお酒に関して「にごり酒」「どぶろく」が出てきます。
また季節柄「白酒」もでてきます。

どんな違いがあるのでしょうか。
「にごり酒」も「白酒」も「酒」の字がついているようにアルコールが入っているので酒税法上日本酒の部類に入ります。
それでは、「にごり酒」も「どぶろく」もにごっているので区別がつきづらいようですが、元々はどちらも米と米麹と水が原料です。
お酒は米麹を発酵させてお酒を造るのですが、発酵させたお酒は滓(おり)でにごっています。
滓(おり) :  発酵で栄養価の高い醪(もろみ)の中の原料米や米麹、その分解分そして酵母など
お酒はこの醪を漉(こ)して透明な日本酒にします。
「にごり酒」は、その滓を荒漉(あらごし)して作ったもので醪の風味を味わうお酒です。
酒税法上、醪を少しでも漉すことでお酒になるのです。

どぶろくは、漉さずにアルコールを含んだ醪そのものを飲む飲み方です。
漉すことがないので、酒税法上日本酒ではなく「その他の雑酒」となります。
江戸時代までは庶民が飲むお酒はどぶろくでした。清酒は一部の人しか飲めませんでした。
どぶろくは一般家庭で造られていたのですが、酒税収支を図る明治政府の政策で家庭酒造が禁止されました。現在は構造改革特別区域(どぶろく特区)で造られています。
ところで、アメリカでは「にごり酒」や「どぶろく」を「クレイジーミルク」と呼んでいるようです。
白い液体をミルクのつもりで飲むと酔ってしまうからでしょうか。

「白酒」の説明に入りましょう。
みりんや焼酎などに蒸したもち米や米麹を仕込んで発酵させ一カ月ほど成熟させて作ります。
桃の節句やひな祭りなどに供えられてきました。
「白酒」にはアルコール分が9%ほど含まれています。
ひな祭りのお供人形の頬が赤くめさめているという絵や歌があるのですが、神事に使える大人が行事の中で「白酒」を飲んでいたのでしょう。

行事とはいえ、子供は飲むことが出来ないのでみんな「甘酒」を飲んでいました。アルコールを含まず老若男女いずの人が飲んで楽しめるからです。
麹の発酵によるデンプンは糖化だけが進んでいて酵母によるアルコール発酵がないためです。自然の甘みもあります。
お米と米麹と水で発酵させて作る「甘酒」は簡単に作れるので「一夜酒」とも呼ばれていますが、栄養価の高い飲み物ですので健康には最適です。
それぞれの違い、わかりましたか?
「にごり酒」も「どぶろく」もそして「白酒」も「甘酒」も発酵を通じての庶民の生活文化として息づいてきました。

それでは先祖に感謝して、今日もこれら色々なお酒を楽しんでみませんか。
お酒も適量であれば健康に良いのです。
そしてご家庭では、食卓を囲んで「米麹甘酒あまま」をご家族ご一緒にお楽しみ下さい。