2022/02/03 15:49

酒税にかかる税金は国税で、消費税と同様の間接税、流通税です。
アルコールが1%以上の飲料の製造者に課せられるものです。
2018年に酒税法が改正され、2020年10月と来年2023年を含め2026年10月まで3回に分けて現行の対象の分類と税率が変わります。
価格にも影響することなので、その中身は知っておくべきでしょう。

酒税の歴史は古く、室町時代に足利義満が酒屋に課したものや鎌倉時代の「酒役(酒屋役)」などがあり、江戸時代に柳沢吉保が幕府の税収のために造り酒屋に対して酒価格の5割もの「酒運上」金を課すこともありました。
明治時代に入り、政府は酒屋だけでなく酒を買う人にも課税を始めました。
この酒税法が拡大されたのは日清戦争後戦費費用調達のため度々増税が行われ、そこでは酒税が増税の対象となり「酒造税法」が制定され1900年代では当時の国の税収の40%も占め、1930年頃までは「財政の宝箱」と言われるように税収のトップでした。
ところが戦後、特に現代では酒類は国の税収に占める割合は2%に落ちてしまいました。
そのため酒税対策を整理し、税率も代える事を目的に酒税法が改正されたのです。

酒類の分類を大きく分けて4種類とし、税率も代えながら2026年までに整理するために3つのステップで変えていきます。
大きな分類は
① 発泡性酒類 ビール、発泡酒、その他の発泡酒類(第3のビールを含む)
② 醸造酒類 清酒(日本酒)、果実酒(ワイン、梅酒)、その他の醸造種類
③ 蒸留種類 焼酎、ウイスキー、ブランデイ等
④ 混成種類 合成清酒、みりん、リキュール他

まず、2018年の改正ではビールの定義が変更されました。
麦芽比率が67%だったものを50%以上のものもビールと分類し、果実や香味ハーブ、野菜等原料以外のも加えてビールとされたので、そのため様々なフレーバーをもつビールが開発されることになりました。
これを税率の改正の面でみると、350ml 77円だったビールは2020年10月改正で70円になり、2023年(来年です!!)10月には63.35円、2026年10月に54円になります。
現在胚芽比率が25%未満の「発泡酒」は47円ですが、2026年10月には54円になりビールと合わせた「発泡性酒類」で一本化されます。
その他の発泡酒類も、それまで28円だったものが2020年に37.8円、2023年には54円になります。

日本酒やワインは「醸造酒類」に分類されますが、改正で税率と分類が変更されます。
それまで42円だった清酒は2020年38.5円、2023年35円になります。
ワインはそれまで28円だったものが2020年31.5円、2023年には35円となり、清酒やワイン(果実酒)は「醸造酒類」で一本化されます。

この改正の目的は、酒税がそれまで高かったビールが価格の面で酒税の安い発泡酒類に売り上げにおいて劣勢だったので、酒税を改正して安い酒税の底上げが目的となります。
その結果2023年10月までに、清酒が減税、ワインが増税となります。
そして2026年10月までには、ビールが減税、発泡酒、新ジャンル(第3のビール)、チューハイ、サワー、ワインが増税となります。

この酒税の改正は、結果としての価格に反映されますので家庭にも影響があります。
お酒、アルコールの好きな方は他人事ではないので酒税の推移には注意が必要です。


ちなみに甘酒はノンアルコールですので、酒税の対象にはなりません。
いつも「米麹甘酒あまま」を、安心してご愛顧のほどよろしくお願いいたします。