2021/09/27 10:43


お酒造りには規定・規則が多く、これは国税局が課税の基準を決めるためかなり厳しい内容になっています。

したがって酒造会社は酒造許可から始まってお酒造りには細心の注意を払わなくてはならないのです。

お酒が単なる嗜好品にとどまらず、宮中祭祀の新嘗祭で酒造りの儀式もあるように歴史的なもの日本を代表する「國酒」としての扱いも受けています。

そのようなお酒ですが、販売に関しても厳しい規定があります。ラベルです。

お店で売られるお酒のラベルを詳しく読むことも無いと思いますが、この機会にラベルを読むことでお酒に関しての知識を増やして、よりお酒に親しんでください。


ラベルには国税局からの厳しい「必要記載事項」が8項目あります。

     アルコール分。お酒100mlに含まれるアルコールのミリリットル数で、「度」または「%」で表します。

     原材料名。水、仕込み水について表示義務はありません。
仕込み水に使用する水は一般の水道水に比べてはるかに厳格に決められているからです。

     精米歩合。これは特定名称酒の場合に書かれます。
特定名称酒とは、原材料や造り方にこだわったお酒で「吟醸酒」「大吟醸酒」「純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「特定純米酒」「本醸造酒」「特別本醸造酒」の8種類で、これらは「清酒の製造品質表示基準」によって基準が決められています。

なお「普通酒」にはこの表示義務はありません。「日本酒」もしくは「清酒」とあるのは昔の「一級酒」「二級酒」といわれた比較的安く手に入る普通酒の事です。

      種類。ここには「日本酒」や「清酒」と書かれることが多いようです。

     内容量。これは720mlのように容量の事です。

     製造時期。ここでは製造年月を書かなければなりません。

お酒は一般の商品と違い腐ることはないのですが、製品容器に詰めた年月を記します。

      製造者の名称及び製造場所在地。ここでは生産者の名前と住所を記します。

     未成年者飲酒防止の注意。一般的には「未成年者の飲酒は法律で禁止されています」という文言が多いようです。

ここまでは法令で義務付けされています。

このほかに生酒の保存・飲用に対しての注意や外国産清酒の表示義務もあります。

ここまで読んでくると疲れるかもしれませんね。

それでも法令は続きます。

特定名称酒に関して、
⑨ 特定名称。「吟醸酒」「大吟醸酒」「純米酒」等

➉原料米の品種。これは山田錦等お酒の米作りに使われた品種が記載されます。

⑪産地名。これは東京の酒とだけ書いても構わないものです。

⑫酒の特徴を示す語句。これも難しいのですが、原酒、生酒、生貯蔵酒などで表記されているようです。
⑬メーカーの独自格付け区分。これはメーカーが独自で表示できる自己宣伝の文言です。
「特選」「上撰」「佳撰」などと書かれているものはここに入ります。

ほかに貯蔵年数や品質優良を表示する言葉、有機米使用も表示の要件です。

 

ここまで厳しいお酒の要件とラベルの意味が理解できたでしょうか。

お酒、特に特定名称酒含めユネスコに日本食の一つとしてお酒も上げられ「國酒」として扱われる伝統文化の一端を知ることは、日本人として誇りにすべきことかもしれません。

一度、お店でもお酒のラベルを見比べてみてください。