2021/08/09 10:18


甘酒には3種類あります。

本格的な米麹甘酒と、家庭で造る麹甘酒、そして酒粕甘酒です。

最後の酒粕甘酒は清酒を造るのに搾った残りの酒粕で作った甘酒です。

清酒酵母が残っているものはそれなりの栄養価があります。だだ、それは酒蔵によって搾り方に影響されます。

その上、甘みを出すため砂糖を加え、アルコール分も含んでいるため子供や老人の飲み物には適していませんのでご注意ください。

それでは家庭で作る甘酒はどうでしょう。

師範される麹菌と炊飯したお米を加えお湯で保温しながら10時間ほどで出来上がります。

保存がきくのは一週間ほどです。

簡単に出来るので古くから親しまれており、この甘酒に酵母を入れて発酵させどぶろく作りが行われてきました。庶民のお酒です。

家庭で造られる甘酒はアルコール分もなく、甘みも得られるので庶民に親しまれてきました。

甘味自体は、麹にはアミラーゼとプロテアーゼという酵素が含まれていてアミラーゼは米のデンプンをブドウ糖に分解し、

プロテアーゼは米に含まれるたんぱく質をアミノ酸に分解します。

こうして造られたブドウ糖には甘味、アミノ酸には旨味があり、甘酒のコクをつくっているのです。


それでは、蔵元の甘酒と手作りでは何が違うのでしょう。

まず麹菌の選び方と酒造りに使う酒造好適米の違いです。単なる麹菌と米麹菌も種類があります。

米麹の種類によって味も変わります。また、お米もお酒用のお米と家庭米はまるで違います。

何に米麹菌を加えるかによって甘酒の違いが良く分かります。

家庭では炊飯器で「炊いた」お米に麹菌を入れ甘酒を作りますが、蔵元ではお米を「蒸し」ます。

日本のお米はジャポニカ米で粘りが強いものです。

このような餅状のお米では麹菌の繁殖力が弱くなります。

それでは蒸すとどうなるでしょう。蒸すと硬めに仕上がり米同士があまりくっつかないので麹菌を受け入れる表面積が大きくなります。

炊いたお米の水分は約65%、蒸したお米は約35%です。

炊いたお米は溶解しやすく蔵元が重視する糖化と発酵のバランスが崩れ、平行複発酵が上手くいかなくなります。

家庭で造る甘酒は簡単に作れる優れものですが、蔵元の甘酒のようにお米と米麹の発酵によって作り出される栄養価は比べ物にならないほど違いがあると言えます。


江戸時代幕府公認の栄養ドリンクに、家庭手造り甘酒ではなく蔵元の甘酒が推奨されたのはその作り方にあったのです。

実際蔵出し甘酒は絶大な人気を博していました。

家庭で造る甘酒の甘さは米麹に含まれるアミラーゼによる甘さですが、平行複発酵で造られる甘酒は真の甘さと旨さを兼ね備えた栄養飲料です。

酒粕甘酒も家庭で造る甘酒もそんなに費用が掛からないので手軽ですが、酒蔵の甘酒は手間がかかっています。その分栄養価も高いのです。

しかも酒蔵で造られる甘酒は火入れをしているので3カ月は美味しく頂けます。

 

ご家庭の健康を守る甘酒、酒蔵で造る本格的な米麹甘酒あままをご愛飲ください。