2021/08/03 19:47



酒蔵の入り口にある丸いボールは何

杉玉といいます。



杉玉は杉の葉(穂先)を集めてボールにしたものです。酒林(さかばやし)とも言います。

実は、この杉玉。色で情報発信しているんです!

緑色は、2月から6月頃に新酒新酒が出来ましたという発表なんです。

薄い緑は初夏や夏頃、枯れた茶色は秋頃ひやおろしの季節となります。

色が徐々に茶色になっていくことでお酒の熟成具合がわかるというからくりなんです!

最近では杉玉がインテリアとしても活躍しているようなので、杉玉があるからすべて酒蔵というわけではないようです。

酒蔵もすべての酒蔵が新酒に合わせて掲げていないので、酒蔵風景としての役割も果たしているようです。


それ以外にも杉の葉は酒の腐敗を防ぐことから杉の葉を吊るすという説もあり、

日本酒の仕込みは現在では金属製の貯蔵タンクを使いますが以前は杉材でつくられていたそうです。

花粉症の方は辛い杉ですが、酒蔵とは意外とつながりがあるんですね。


ところで中世のイギリスでも同じような習わしがありました。

酒神バッカスに因んだ植物、モミ、イチジク、ブドウの穂を居酒屋の軒先に突き出して看板にしていたようです。


日本では酒造りは神事に関わる新鮮な場所で、古くは女人禁制で杉玉の他にしめ縄も張られていたそうです。

現代でも古くから続く酒蔵ではその年初めて米を蒸す「甑始め」、

新酒が出来た事を神に報告する「初揚げのお祓い」、

その年の蒸米づくりを終える「甑倒し」、

最後の醪を搾り切り作業の終えた「皆造祝」など節目節目の行事が行われているようです。

このように複雑な過程で作られる日本酒ですが、発酵食文化として古来から受け継がれてきた文化はユネスコ無形文化遺産「和食 日本人の伝統的な食文化」としてお酒も自然を尊ぶ食文化に位置付けられています。

 

日頃何気なく飲んでいるお酒ですが、

古来から神聖なものとして尊ばれていたことを知ることでお酒の味わい方も変わるかもしれません。

アイヌ語でもお酒はカムイワッカ(神の水)と呼ばれていたそうです。


ココで問題です!

酒蔵がお酒を造らない夏の時期、杉玉が薄い緑の時期は何をしていたのでしょうか。

1.冬頑張ったので夏季休暇で皆お休み

2.甘酒を作っていた

3.酒蔵は皆2足のわらじで夏は違う仕事をしている


正解は2番!夏は甘酒が売れる時期だったので作っては売っていたが正解です♪

※注※現代では、四季醸造といって年中お酒を造っている蔵もあります。


カヤマ醸造所も四季醸造にて純米発泡濁酒を製造していますが、夏人気なのはもちろん甘酒あまま!

米麹甘酒あままもアルコール分のない”神の水”です。古来から栄養満点の甘酒。

神聖な神からのたまものを是非ご家族でお楽しみください!