2020/06/25 18:06

甘酒を造る米麹は麹菌です。
麹菌とその利用は発酵食品や発酵飲料の酒の歴史を含め発酵の食文化に根差しており、庶民の生活文化の一つの柱として長い歴史をもっています。

初めての麹菌の記述が見えるのは8世紀前半に編集された「播磨国(はりまのくに、今の兵庫県南西部)風土記」だと言われています。
神に捧げた蒸し米にカビが生えたというもので、このようなことから麹カビが利用されるようになったものと思われます。
ところで、麹菌を繁殖させるのに木灰が使われていました。
木灰を入れることにより麹の餌になる「カリウム」と「リン」を麹に供給する上に、木灰は強いアルカリ性でほとんどの有害な菌を殺してしまいますが麹菌は死にません。
木灰で麹菌だけを純粋培養して繁殖させるのです。

この麹菌が繁殖することを「麹の花が咲く。」といいます。
日本の昔話に「花咲か爺さんが枯れ木に灰を撒いたら花が咲いた。」というお話がありますが、実は灰と麹の花咲きから来ているのではないかと考える人もいます。
日本書紀の木花咲耶姫(このはなさくやひめ)とのかかわりも気になりますね。