2020/06/25 17:55

甘酒は米麴を利用した日本独特の甘味飲料です。

蒸した米を麴のアミラーゼで分解しグルコース(アミノ酸)を造りますが、これが甘味の元で、この糖の量は栄養素構成比の20-30%までになります。
その上甘酒には発酵で造られた様々な栄養素が含まれており、古代から愛飲されていたことがわかります。
中国にも甘酒に似た飲料があり、酒醸(チウニャン)と呼ばれるものですが、これはもち米を糖化したものです。
日本での甘酒は、米麴(こめこうじ)を発酵させて造ったものと、酒粕(さけかす)を溶かして砂糖を加えて造る2種類があります。
どちらも栄養が豊富ですが、米麴から直接造るものはノンアルコールで、酒粕から造るものはアルコールを含みます。

米麴を発酵させたものは、麴によるでんぷんの糖化だけが進んでいて酵母によるアルコール発酵がないためノンアルコールで、自然な甘味を引き出しています。
お酒は、米麴と蒸し米を混ぜ、その上で酵母を入れてアルコール発酵させてできる醪(もろみ)、いわゆるどぶろくを濾して清酒を造りますが、濾して残ったものが酒粕ですので、どうしてもアルコールが残るのです。
酒粕はむしろ他のものとあわせていただくことが多いようで漬物に利用されたりします。寒い北海道では鍋に入れる味噌に酒粕を溶かして具を盛り込んでいただくことで体を温めます。

このように、米麴からの直接造る甘酒と酒粕から造る甘酒がありますが、ノンアルコールの甘酒も酒粕からの甘酒も米麴の発酵から始めて酒を造る流れの中に入っていますので酒という字がついてます。

江戸以降、お酒が冬しか造れなかった時代には、蔵元は夏に甘酒を造り売り出していました。
ノンアルコールの甘酒はお子様をはじめ幅広く飲むことのできる手軽な健康飲料です。ご家庭やご家族の団欒で皆様の健康を維持する最良の飲料としてお勧めするものです。
特に偏食に陥りやすい子供さんや、多忙で食卓に彩りを添えられない主婦の方に、健康の元になる命を守るという観点から、「飲む点滴」といわれる甘酒をお勧めするものです。